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Japanische Klassiker mit Furigana

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うみにいくるひとびと

海に生くる人々

葉山 嘉樹

Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

と小倉は言った。

「もちろんそれは決定権を持っている船長との最初で最後の交渉にならねばならんだろう」藤原が答えた。

「君の言うように、それが最初で最後であると言うならば、交渉を拒絶された場合には、どうなるんだろう」小倉はその点をおそれていた。もし交渉が不調になったりした場合、同盟下船とでもいうことになれば自分は明らかに乗船停止を食うだろう。そうすると、自分は高等海員の免状をとる資格がなくなってしまうんだ! 彼は苦しい立場にあった。彼はもし、高等海員になってやや多い収入を得ないならば、山陰道の山中で、冷酷な自然と、惨忍なる搾取との迫害から、その僻村全体が寒さのために凍死し、飢餓のために餓死しなければならないのであった。

彼の村は、山陽道と山陰道を分ける中国の脊梁山脈の北側に、熊笹を背に、岩に腰をおろしてもたれかかっているような、人煙まれな険阻な寒村であった。その村の者は森林の産物をその生活資料としていた。ところがそれらの森林は国有林になってしまった。そこで、その村の者は、監獄へ行くか、餓えるかという二つの道のどちらかを取るようにしいられた。小倉の生まれた村の小径とも、谷川ともわからない山径は、監獄の方へ続いていた。