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Japanische Klassiker mit Furigana

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うみにいくるひとびと

海に生くる人々

葉山 嘉樹

Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

「やつあ、おいらが、マストにくっついて凍ったのが見たいんじゃなかろうかい? え、おれは、あいつの魂胆はてっきりそこだと思うよ」波田も震えていた。

「きまってらあね、金魚が凍りついたのよりゃ、よっぽど、人間がマストへ凍りついた方が珍しいからね」西沢が答えた。

大きなマストも、その高い部分では、随分揺れた。それは、その磨き澄ました日本刀のような寒風が揺するのだった。

「はたちやそこらでペンカンさげて、マストにのぼるも――親のばちかね」西沢は坑夫の唄をもじって、怒鳴った。

――シューシュ、どころか今日このごろは、五銭のバットもすいかねるシュッシュー――と波田もうたった。

「何だ捨てられた小犬みてえな音を出してやがる」西沢が冷やかした。

「おめえのはペン罐をたたいてるようだよ」波田がやりかえした。そして彼は下を見た。

「オイ、まだ大分あるぜ、何とかうまい便法はねえかなあ」波田はこぼした。

「あるぜすてきにいいことが」西沢がいった。

「ヘッ! 下におりてストーブにあたるこったろう」

「もっといいんだ。マストのテッペンから海へ飛び込むんだ! そうすれや、どんな難病でも、いやな仕事でも一度に片がついてしまわあ」