Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
「安井君、何か食べたくはないかい」と、波田はボーイ長にきいた。
「のどがかわいて、腹がすいて、たまらない」と、彼はかろうじて答えた。
「そいじゃ今持って来るから待ってくれよ」
波田は、コックに、卵をくれるように頼んだ。
「卵なんぞぜいたくなものが、おもてに使えるかい、ぼけなすめ!」波田は一撃の下に、卵なんぞ「おもて」の者の口に入りかねることを教えられた。しかし、もし、卵がなければ、流動物を与えるのに困るのであった。
「どうだろう、ボーイ長が固い物は食べられないだろうと思うんだが、何か寝てて食べるようなものはないだろうか、とも(高級海員の事)のコーヒーへ入れるミルクを一罐だけ分けてもらえないだろうかなあ」波田は食餌のことは、チーフメートが医者ついでにやるべきものだと考えた。けれどもまた「やるべきこと」はおれたちだけにあるんだ。と思いかえした。
「それじゃシチャード(司厨司)へ話して見ろよ! 一両ぐらい出しゃ分けられねえこともねえかな、ぐれえなとこだろうぜ」このコックはおもての食費をごまかすために、とものコックから、給料を下げてまでも、おもてへ一つ船で鞍がえした、途轍もない「悪」