Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
「じゃあ、そうしよう」そこで、二人のセーラーは下へ降りた。
おもてへ帰った波田は、西沢に、八時の鐘がなったら、ともの倉庫で、相談があるから、わからないように抜けて来て、くれるようにといった。西沢はうなずいた。
ストキは、ベンチへ聴衆の一人と、いったような顔つきで腰をおろして、例によって、煙草をふかし続けた。
四一
八時が鳴った。その時には、もう藤原はいなかった。波田は、ボーイ長のそばに、腰をおろして話していた。「じゃ、正月までの菓子を、食いためて来るからね。おみやげを忘れやしないから、待っていたまえよ、え、相変わらず、東洋軒さ、ハハハハハ」と、波田は、ともの倉庫を東洋軒にしてしまった。
「え」西沢は頓狂な声を出した。「波田君! 僕も、たまにゃ連れて行けよ」そこで、二人は、連れ立って、倉庫へやって来た。
藤原は、目玉ランプを抱えて、綱敷き天神みたいに、ホーサーの、巻き重ねてある上にすわっていた。やがて小倉もやって来た。
それで、一切は動員された――というわけであった。
「そこで、僕らは、いつ浪にさらわれるか、ウインチでやられるか、どこで、やられるかわからない危険な労働をしているのに、ボーイ長のように、負傷はさせっ放し、死ねば死にっ放し、というような状態では、とても不安心で、落ちついていられないんだ。