Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
七
「おれたちは何だってこんなに泥棒猫扱いに、いじめられるんだろうなあ」と、藤原がため息と一緒に吐き出すようにいった。一時の興奮から、夕方ボーイ長のことで来たチーフメートとの事を思い出して、きっとよからぬ予感に襲われたのだろう。
「それゃ君、泥棒猫だからさ」と小倉がひょうきんに答えた。彼は人に落胆させまいとして、いつでも骨を折る気のいい正直者であった。
「どうしてなんだろう」藤原はおとなしくきいた。
「十匹の猫の中の二匹が泥棒猫であっても、その全体が泥棒猫と思われるんだからな。まして君、十匹ののうち八匹がそうだったら、もちろん泥棒猫団だろうよ」
小倉は答えた。
「それじゃ、僕らは一体、生まれつき泥棒猫だったろうかね」
「多くはそうだね。つまり僕らが泥棒猫であったにしても、それは僕らの知ったことじゃないことになるわけだ」
「というと」と藤原は小倉にききかえした。
「つまりさ。僕らは、その飼い主から見れば役に立たない泥棒猫なんだ。ね、いつ主人のものをかっぱらうか油断もすきもありゃしない、とこう、見られているんだ。だから、主人の方じゃ僕らを泥棒猫扱いするんだ。