Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
それに、けさからのワシデッキとハッチの密閉とで水夫たちは、その着物の大部分をぬらしてしまった。(波田、三上のごときは、その全部を二重にぬらした、つまり一そろいの服を二度ぬらした。)それで、今、だれの仕事着も洗いすすがれて、汽罐場の手すりに、かわかされてあった。
水夫たちは起きるとすぐ、猿股一つでか、あるいは素裸でか、寝間着かで、汽罐場まで、仕事着をとりに行かねばならなかった。けれども裸で、その寒さに道中はならなかった。
波田は、自分の仕事着がまだ、今かわかされたばかりであるので、いくら汽罐場の上でもまだ生がわきであることを知っていた。従って彼は、猿股一つの上に合羽を着て作業しようと決心でいた。ところが仕事着は小倉が彼に一つくれることにしようと申し込んだ。それで、彼は、油絵のカンバスのような、オーバーオールを一つ手に入れることができた。それにはペンキで未来派の絵のような模様が、ベタ一面にいろどられて、ゴワゴワしていた。
「それでも、ロンドンで買ったんだぜ」小倉はいった。
「舶来の乞食が着てたんだろう。こいつあ具合がいいや」と彼はいった。
水夫たちは皆各スタンバイした。