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Japanische Klassiker mit Furigana

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うみにいくるひとびと

海に生くる人々

葉山 嘉樹

Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

水夫らは、船首の方を済まして、船尾のハッチへ行くために、サロンデッキに上った時であった。ブリッジにいたコーターマスターの小倉が、何かわからぬことを、からだじゅうで怒鳴りながら、物すごい勢いでブリッジから飛びおりて来て、サロンデッキを艫の方へかけて行って、そのタラップをまた飛びおりた。

セーラーたちは、ビクリとした。のみならず、コック場のコックやボーイや交替で休んでいた機関長や、ブリッジの上の船長やは、全部が小倉の飛んでった行方を見守った。

小倉は、船尾へ駆けつけた。そこには、ブリッジからあやつるスティームギーア(蒸気舵機)の鎖と、そのカバーとの間に、わざとのように、水夫見習いが、右半身をうつ伏しにもぐり込ませていたのであった。

小倉は、水夫見習いが楽に出るようにと思ったのであったが、しかし舵機は同位に船首を保つために、一刻も放擲しては置けなかった。

そこへ水夫らは全部かけつけた。あるものは、カバーの金板をバーで動かそうと試みた。この間にも波浪は、船首甲板ほどではないにしても三、四度、ここを洗った。

水夫全体の力と小倉との力は水夫見習いを、鎖とカバーの間から引っぱり出すことができた。