Japanische Klassiker mit Furigana
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うみのししゃ
海の使者
泉 鏡花
Lesen Sie 海の使者 (うみのししゃ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.811 Zeichen · 10 Bildschirme
ぴたぴたと板が鳴って、足がぐらぐらとしたので私は飛び退いた。土に下りると、はや其処に水があった。
橋がだぶりと動いた、と思うと、海月は、むくむくと泳ぎ上がった。水はしだいに溢れて、光物は衝々と尾を曳く。
この動物は、風の腥い夜に、空を飛んで人を襲うと聞いた……暴風雨の沖には、海坊主にも化るであろう。
逢魔ヶ時を、慌しく引き返して、旧来た橋へ乗る、と、
(きりりりり)
と鳴った。この橋はやや高いから、船に乗った心地して、まず意を安んじたが、振り返ると、もうこれも袂まで潮が来て、海月はひたひたと詰め寄せた。が、さすがに、ぶくぶくと其処で留った、そして、泡が呼吸をするような仇光で、
(さっさっさっ。
しゅっしゅっ、
さっ、さっ!)
と曳々声で、水を押し上げようと努力る気勢。
玄武寺の頂なる砥のごとき巌の面へ、月影が颯とさした。――