Japanische Klassiker mit Furigana
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うみぼたる
海ぼたる
小川 未明
Lesen Sie 海ぼたる (うみぼたる) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.403 Zeichen · 7 Bildschirme
けれど、どこまでいっても、一つの橋もかかっていなかったのです。
川上には、どこかで大雨が降ったとみえて、水かさが増していました。やっと、日暮れ前に、一つの丸木橋を見いだしましたので、彼女は、喜んでその橋を渡りますと、木が朽ちていたとみえて、橋が真ん中からぽっきり二つに折れて、娘は水の中におぼれてしまいました。
「死んでも、魂だけは、故郷に帰りたい。」と、死のまぎわまで、彼女は思っていました。
やがて、娘の姿は、水の面に見られなくなりました。すると、その夜から、この川に、ほたるが出て、水の流れに姿を映しながら飛んだのであります。
愚かな聟は、美しい嫁をもらって、どんなに喜んでいたかしれません。そして、自分はできるだけ、やさしく彼女にしたつもりでいました。それが、ふいに姿を隠してしまったので、また、いかばかり、悲しみ、歎いたでありましょう。ついに聟は、家の人たちが心配をして、見張りをしていたにもかかわらず、いつのまにか、家から飛び出して、同じ川に身を投げて死んでしまいました。
この水ぶくれのした死骸は、川の上に浮いて、ふわりふわりと流れて、みんなの知らぬまに、海に入ってしまったのであります。