Japanische Klassiker mit Furigana
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かいじょうはつでん
海城発電
泉 鏡花
Lesen Sie 海城発電 (かいじょうはつでん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.039 Zeichen · 25 Bildschirme
八
出でたるも恐らくその日が最初ならむ、長き病に俤窶れて、寝衣の姿なよなよしく、簪の花も萎みたる流罪の天女憐むべし。
「国賊!」
と呼懸けつ。百人長は猿臂を伸ばして美しき犠牲の、白き頸を掻掴み、その面をば仰けざまに神崎の顔に押向けぬ。
李花は猛獣に手を取られ、毒蛇に膚を絡われて、恐怖の念もあらざるまで、遊魂半ば天に朝して、夢現の境にさまよいながらも、神崎を一目見るより、やせたる頬をさとあかめつ。またたきもせで見詰めたりしが、にわかに総の身を震わして、
「あ。」と一声血を絞れる、不意の叫声に驚きて、思わず軍夫が放てる手に、身を支えたる力を失して後居にはたと僵れたり。
看護員は我にもあらで衝とその椅子より座を立ちぬ。
百人長は毛脛をかかげて、李花の腹部をむずと蹈まえ、じろりと此方を流眄に懸けたり。
「どうだ。これでも、これでも、職務外のことをせねばならない必要を感ぜんか。」
同時に軍夫の一団はばらばらと立かかりて、李花の手足を圧伏せぬ。
「国賊! これでどうだ。」
海野はみずから手を下ろして、李花が寝衣の袴の裾をびりりとばかり裂けり。
八
時にかの黒衣長身の人物は、ハタと煙管を取落しつ、其方を見向ける頭巾の裡に一双の眼爛々たりき。