Japanische Klassiker mit Furigana
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かいていとし
海底都市
海野 十三
Lesen Sie 海底都市 (かいていとし) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.118 Zeichen · 168 Bildschirme
妙な手紙
僕は、まるで催眠術にかかりでもしたような状態で、廃墟の丘をのぼっていった。
あたりはすっかり黄昏れて広重の版画の紺青にも似た空に、星が一つ出ていた。
丘の上にのぼり切ると、僕はぶるぶると身ぶるいした。なんとまあよく焼け、よく崩れてしまったことだろう。巨大なる墓場だ。犬ころ一匹通っていない。向うには、焼けのこった防火壁が、今にもぶったおれそうなかっこうで立っている。こっちには大木が、黒焦げになった幹をくねらせて失心状態をつづけている。僕の立っている足もとには、崩れた瓦が海のように広がっていて、以前ここには何か大きな建物があったことを物語っている。
悪寒が再び僕の背中を走りすぎた。
僕はポケットに手を入れると、紙をひっぱりだした。それは四つ折にした封筒だった。その封筒をのばして、端をひらいた。そして中から用箋をつまみ出して広げた。
その用箋の上には次のような文字がしたためてあった。
――君は九日午後七時不二見台に立っているだろう。これが第二回目の知らせだ。
これを読むと、僕はふらふらと目まいがした。今日は九日、そしてうたがいもなく僕は今、この手紙にあるとおり不二見台に立っているのだ。