Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かいていとし

海底都市

海野 十三

Lesen Sie 海底都市 (かいていとし) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.118 Zeichen · 168 Bildschirme

Aozora Bunko

僕が顔をしかめると、相手も顔をしかめる。おどろいて口をあけると、相手も口をあける。ますますおどろいて手を口のところへ持っていくと、相手もそうするのだった。僕はあきれてしまった。僕は少年にちがいない。それだのに、なぜこの鏡の中には釣針ひげの大人の顔がうつるのであろうか。

「こののちは、どうぞご冗談をおっしゃらないようにお願い申上げまする。そこでお客さま。どうぞお早く御用をおっしゃって下さいませ」

老ボーイは、姿勢を正し、眼を糸のように細くし、鼻の穴を真正面にこっちへ向けて小汽艇の汽笛のような声でいった。

とつぜん僕の頭の中に、電光のようにひらめいたものがあった。それは辻ヶ谷君にさようならをいってから、一足とびに早くも二十年後の世界へ来てしまっているのだ。したがって僕自身も、一足とびに二十年だけ年齢がふえてしまったのだ。だから鏡の中からこっちをじろじろみているあのきざな釣針ひげのおとなこそ正しく二十年としをとった僕のすがたなのであろう。

そう思って、手を鼻の下へやると、指さきに釣針ひげがごそりとさわった。

「はっはっはっはっ」と、僕はとうとうたまらなくなって、腹をゆすぶって笑い出した。