Japanische Klassiker mit Furigana
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かいていとし
海底都市
海野 十三
Lesen Sie 海底都市 (かいていとし) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.118 Zeichen · 168 Bildschirme
鼻の孔も口も、共に水中に没してしまうからだ。仕方なく僕は平泳ぎをしながら、顔だけは横に寝かして、辛うじて息をつくことが出来た。
(一体何者か。僕をこんなに苦しめる奴は。まさか僕を殺すつもりじゃないだろうと思うが、ひどい目にあわすじゃないか)
僕は、一生けんめい水をかきながら、姿の見えないこの暴行の主を恨んだ。
ところが、水かさは更にずんずん増して来るではないか。硝子天井は、容赦なく僕の頭をおさえつける。僕はさっきから無理な姿勢をとり首を横にまげて泳いでいるので、頸の筋がひきつって痛くてたまらない。そのうちに鼻の孔も口も、水に洗われるようになった。いよいよ水が天井につきそうなのである。僕は、したたか水を呑んでしまった、水なんか決して呑みたくないのに。
今や僕は溺死の一歩手前にあった。顔を上に向けた。硝子天井に接吻するような恰好である。そして立ち泳ぎだ。頸をうしろに無理に曲げているので、痛いやら苦しいやらで生きている心持もない。「助けてくれ」と叫びたいのだがそんな声も出ない。そんな声を出して叫ぼうものなら、たちまち身は水中に沈んで、溺死をせねばならぬ。