Japanische Klassiker mit Furigana
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かいていとし
海底都市
海野 十三
Lesen Sie 海底都市 (かいていとし) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.118 Zeichen · 168 Bildschirme
僕の知覚はだんだん麻痺して来たんだ。
わが耳に、遠くで人がいい争っている声が聞こえる。本当に聞こえるんだか、幻想なんだか、どっちとも分らない。それは男と女との口論のようでもある。声高く笑っている。そうかと思うと、くやしそうに泣いているようでもある。
(僕はもう死ぬんだな)
僕はそう悟った。死にたくない。しかしどうにもならない。ああ神さま!
それからどのくらいの時間が経ったか、僕は覚えていない。とにかくぼんやりと気のついたとき、僕はしきりに口から水を吐いていた。いや、正確にいえば水を吐かされていたのだが……。
遠大なる実験案
僕は、うつ向いて、水を吐かされていた。
胃袋の下に、砂枕のようなものがあたっていた。そして誰かが、僕の背中に、ぐいぐいと力を加える。そうすると僕は、障子がひきさけるような音をたてて、ごぽごぽと下へ水を吐くのだった。
僕には見えないが、僕の頭の上で、がやがやと喋っている人声がする。それは非常に遠いところで喋っているようにも思われる。僕の知覚は、まだ麻痺状能を脱し切っていないのである。その証拠に喋っている人声が急に遠くなったり、また僕が水を吐いていることが分らなくなって花園の中に犬を追いまわしている夢の中に入ってしまったりした。