Japanische Klassiker mit Furigana
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かいひんそうのさつじん
海浜荘の殺人
山本 周五郎
Lesen Sie 海浜荘の殺人 (かいひんそうのさつじん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.672 Zeichen · 18 Bildschirme
「それで訊くが、一体君たちはこんな時間まで何処へ行っていたのかね」
「は、……何処って、その、――」
「はっきり云い給え!」
三人とも蒼白になって眼を伏せた。――それを見ると志津子は堪り兼ねたように、
「云えないでしょう、お祖父さまを殺したのは貴方たちです。脅迫状の話など拵て他人の事のようにごまかしたうえ、お祖父さまを殺してお金を――」
「違うよ志津子さん」
荒木が恟りとしながら遮った。
「その疑いはひどい、――では申上げましょう。実は妙な事があったんです。夕飯のあとで部屋へ入りますと、脅迫状と同じ筆跡の手紙が置いてあって、午前一時までに西浜の一本松の下へ来いということが書いてあったのです。重要な話で決して危険はないということですから、行ってみますと、久良と井上が待っていました」
「僕たちも同じ手紙を受取ったのです」
井上一郎が側から云った。
妙な話である、署長は真偽を確めるために、厳重な訊問を始めた。……そして、両方で受取った手紙を調べたり、西浜の一本松へ刑事をやって、本当に三人がそこで何時間かを過したかどうかを調べたり(事実、そこには夥しい煙草の吸殻や燐寸の燃さしが落ちていた)しているうちに、すっかり夜が明けはなれて了った。