Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かいいき

海異記

泉 鏡花

Lesen Sie 海異記 (かいいき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.223 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

百尋ばかり束ね上げた鮪縄の、舷より高かったのがよ、一掬いにずッと伸した! その、十丈、十五丈、弓なりに上から覗くのやら、反りかえって、睨むのやら、口さあげて威すのやら、蔽わりかかって取り囲んだ、黒坊主の立はだかっている中へ浪に揉まれて行かしっけえ、船の中ではその綱を手ン手に取って、理右衛門爺さま、その時にお念仏だ。

やっと時が立って戻ってござった。舷へ手をかけて、神様のような顔を出して、何にもねえ、八方から波を打つける暗礁があるばかりだ、迷うな、ッていわしった。

お船頭、御苦労じゃ、御苦労じゃ、お船頭と、皆握拳で拝んだだがね。

坊主も島も船の影も、さらりと消えてよ。そこら山のような波ばかり。

急に、あれだ、またそこらじゅう、空も、船も、人の顔も波も大きい大きい海の上さ半分仕切って薄黄色になったでねえか。

ええ、何をするだ、あやかしめ、また拡がったなッて、皆くそ焼けに怒鳴ったっけえ。そうじゃねえ、東の空さお太陽さまが上らっしたが、そこでも、姉さん、天と波と、上下へ放れただ。昨夜、化鮫の背中出したように、一面の黄色な中に薄ぼんやり黒いものがかかったのは、嶽の堂が目の果へ出て来ただよ。