Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かいいき

海異記

泉 鏡花

Lesen Sie 海異記 (かいいき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.223 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

そんな、荒浪だの、恐しいあやかし火とやらだの、黒坊主だの、船幽霊だのの中で、内の人は海から見りゃ木の葉のような板一枚に乗っていてさ、」と女房は首垂れつつ、

「私にゃ何にもいわないんだもの……」と思わず襟に一雫、ほろりとして、

「済まないねえ。」

奴は何の仔細も知らず、慰め顔に威勢の可い声、

「何も済まねえッて事アありやしねえだ。よう、姉さん、お前に寒かったり冷たかったり、辛い思いさ、さらせめえと思うだから、兄哥がそうして働くだ。おらも何だぜ、もう、そんな時さあったってベソなんか掻きやしねえ、お浜ッ子の婿さんだ、一所に海へ飛込むぜ。

そのかわり今もいっけえよ。兄哥のために姉さんが、お膳立てしたり、お酒買ったりよ。

おら、酒は飲まねえだ、お芋で可いや。

よッしょい、と鰹さ積んで波に乗込んで戻って来ると、……浜に煙が靡きます、あれは何ぞと問うたれば」

と、いたいけに手をたたき、

「石々合わせて、塩汲んで、玩弄のバケツでお芋煮て、かじめをちょろちょろ焚くわいのだ。……よう姉さん、」

奴は急にぬいと立ち、はだかった胸を手で仕切って、

「おらがここまで大きくなって、お浜ッ子が浜へ出て、まま事するはいつだろうなあ。