Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

かいいき

海異記

泉 鏡花

Lesen Sie 海異記 (かいいき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.223 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

」と良人の帰る嬉しさに、何事も忘れた状で、女房は衣紋を直した。

「まだ、見えるような処まで船は入りやしねえだよ。見さっせえ。そこらの柿の樹の枝なんか、ほら、ざわざわと烏めい、えんこをして待ってやがる。

五六里の処、嗅ぎつけて来るだからね。ここらに待っていて、浜へ魚の上るのを狙うだよ、浜へ出たって遠くの方で、船はやっとこの烏ぐれえにしか見えやしねえや。

やあ、見さっせえ、また十五六羽遣って来た、沖の船は当ったぜ。

姉さん、また、着るものが出来らあ、チョッ、」

舌打の高慢さ、

「おらも乗って行きゃ小遣が貰えたに、号外を遣って儲け損なった。お浜ッ児に何にも玩弄物が買えねえな。」

と出額をがッくり、爪尖に蠣殻を突ッかけて、赤蜻蛉の散ったあとへ、ぼたぼたと溢れて映る、烏の影へ足礫。

「何をまたカオカオだ、おらも玩弄物を、買お、買おだ。」

黙って見ている女房は、急にまたしめやかに、

「だからさ、三ちゃん、玩弄物も着物も要らないから、お前さん、漁師でなく、何ぞ他の商売をするように心懸けておくんなさいよ。」という声もうるんでいた。

奴ははじめて口を開け、けろりと真顔で向直って、