Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かいいき

海異記

泉 鏡花

Lesen Sie 海異記 (かいいき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.223 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

これが親仁は念仏爺で、網の破れを繕ううちも、数珠を放さず手にかけながら、葎の中の小窓の穴から、隣の柿の木、裏の屋根、烏をじろりと横目に覗くと、いつも前はだけの胡坐の膝へ、台尻重く引つけ置く、三代相伝の火縄銃、のッそりと取上げて、フッと吹くと、ぱッと立つ、障子のほこりが目に入って、涙は出ても、狙は違えず、真黒な羽をばさりと落して、奴、おさえろ、と見向もせず、また南無阿弥陀で手内職。

晩のお菜に、煮たわ、喰ったわ、その数三万三千三百さるほどに爺の因果が孫に報って、渾名を小烏の三之助、数え年十三の大柄な童でござる。

掻垂れ眉を上と下、大きな口で莞爾した。

「姉様、己の号外だよ。今朝、号外に腹が痛んだで、稲葉丸さ号外になまけただが、直きまた号外に治っただよ。」

「それは困ったねえ、それでもすっかり治ったの。」と紅絹切の小耳を細かく、ちょいちょいちょいと伸していう。

「ああ号外だ。もう何ともありやしねえや。」

「だって、お前さん、そんなことをしちゃまたお腹が悪くなるよ。」

「何をよ、そんな事ッて。なあ、姉様、」

「甘いものを食べてさ、がりがり噛って、乱暴じゃないかねえ。