Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かいいき

海異記

泉 鏡花

Lesen Sie 海異記 (かいいき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.223 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

「ああ号外、」と、きょとりとする。

女房は濡れた手をふらりとさして、すッと立った。

「三ちゃん。」

「うむ、」

「お前さん、その三尺は、大層色気があるけれど、余りよれよれになったじゃないか、ついでだからちょいとこの端へはっておいて上げましょう。」

「何こんなものを。」

とあとへ退り、

「いまに解きます繻子の帯……」

奴は聞き覚えの節になり、中音でそそりながら、くるりと向うむきになったが早いか、ドウとしたたかな足踏して、

「わい!」

日向へのッそりと来た、茶の斑犬が、びくりと退って、ぱっと砂、いや、その遁げ状の慌しさ。

四

「状を見ろ、弱虫め、誰だと思うえ、小烏の三之助だ。」

と呵々と笑って大得意。

「吃驚するわね、唐突に怒鳴ってさ、ああ、まだ胸がどきどきする。」

はッと縁側に腰をかけた、女房は草履の踵を、清くこぼれた褄にかけ、片手を背後に、あらぬ空を視めながら、俯向き通しの疲れもあった、頻に胸を撫擦る。

「姉さんも弱虫だなあ。東京から来て大尽のお邸に、褄を引摺っていたんだから駄目だ、意気地はねえや。」

女房は手拭を掻い取ったが、目ぶちのあたりほんのりと、逆上せた耳にもつれかかる、おくれ毛を撫でながら、