Japanische Klassiker mit Furigana
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うんのじゅうざはいせんにっき
海野十三敗戦日記
海野 十三
Lesen Sie 海野十三敗戦日記 (うんのじゅうざはいせんにっき) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.094 Zeichen · 167 Bildschirme
焼けてしまった上に、まっくらだからである。
ようやく見つけて、女駅員に声をかける。「切符はどこで売っていますかね」「着駅で払って下さい」で通してくれる。「階段はどこ?」「まっすぐ行って右ですよ、右の壁を伝(つたわ)っていってください」なるほど、と壁をさぐりながら行く。ようやく見当がついた。階段より上がれば、高いホームの上は、案外空が明かるい。乗客が温和(おとな)しく電車を待っている。電車は間もなくホームへ入って来た。乗客がぎっしり詰まっていた。
渋谷で降りる。朝倉、加藤両氏は帝都線であるから、そこで別れる。
玉川線のホームに入ると、電車が一台待っている。「柴栗さん」というアダ名の張りきり助役さんが、声を張りあげてまっくらなホームにくりこんでくる乗客を整理している。「この電車は玉川行です。下高井戸行の方もこれに乗って下さい。警報がどうなるかわかりませんから、すこしでも先に行っておいて下さい」と、時宜に通じた注意を出している。
くらやみの中に、ぎゅうぎゅうつめられる。能率がわるい。ひどく押される。三軒茶屋で降りて、乗替えを待つ。
電車はなかなか来ず。