Japanische Klassiker mit Furigana
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うんのじゅうざはいせんにっき
海野十三敗戦日記
海野 十三
Lesen Sie 海野十三敗戦日記 (うんのじゅうざはいせんにっき) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.094 Zeichen · 167 Bildschirme
しかも向うから貰うものが悉(ことごと)く封鎖ではかなわない。
そうなると人情で、どうも書くのに張合が出て来ない。
そのうちにぼつぼつ新円でくれるところが出て来た。一部を新円で、他を封鎖小切手でくれるところもある。何千円也の封鎖小切手を貰っても紙屑同様にて一向ありがたみが感ぜられないのに対し、たとえ百円なりでも新円を貰うと、たいへんうれしい。
従って新円稿料のところと、封鎖稿料のところとがあると、仕事についても進行速度も張合もその出来ぶりまでが違ってくる。あさましいともさもしいともいえることではあるが、しかしやはりこれは人情であろう。
五月六月遅配と欠配、食糧難深刻、餓死者続出、附近の家々も最後の最悪の事態に陥つ、泪なしには見られず聞かれず。
六月七月小喀血の事
◯六月二十九日正午過ぎ、痰が赤くなり始め、それより小喀血。
五日ほどして起きたり。
ところが七月七日の午前一時頃痰が赤くなりはじめ、就寝せるも睡りやらず、しきりに痰出でて目がさめ、そのうちに午前四時頃喀血す。従来に比して多量にして、盛んなるときは紙にもとり能わず。洗面器にも吐く暇なく、息つまりそうにて胸がごとごといいてそのまま血をのみこみたり。