Japanische Klassiker mit Furigana
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うんのじゅうざはいせんにっき
海野十三敗戦日記
海野 十三
Lesen Sie 海野十三敗戦日記 (うんのじゅうざはいせんにっき) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.094 Zeichen · 167 Bildschirme
敵のためにはお気の毒を絵にかいたようであった。
◯七月一日より五日まで、山梨県下に甘藷二十七億貫植付の激励講演をして廻った。甲府市には二日、三日、四日といた。その二日後の六日夜にはB29の大編隊が来て、市を八、九割焼いてしまった。きわどいところであった。
甲府はこの上もない安全地帯だと思っていたが、来てみると、地下一尺五寸にして水が出て、防空壕が深く掘れず、山国ゆえ食糧の移入困難の恐れもあり、加えて陸軍大学等の諸官衙(が)がここへ疎開している上に軍隊がたくさん居るので、食糧事情は一層困難だということであった。もちろん家も空部屋もなく、旅館で部屋のとれないことは甲府の名物だとあった。
私が甲府を離れた七月四日に、ようやく建物疎開をすることが決まったばかり。すべては油断があり、遅すぎた。しかし空襲が一度もなかったこの市民たちを、大いに緊張せしめる事の出来なかったのは、何としても知事以下の努力の足らざるところと思われる。
県庁も、駅も、郵便局も、警察署も焼け残ったそうで、その奮闘はたいしたものであったというが、それだけが焼残っただけでは困る。町が焼けずに残らねば何にもならぬ。