Japanische Klassiker mit Furigana
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うんのじゅうざはいせんにっき
海野十三敗戦日記
海野 十三
Lesen Sie 海野十三敗戦日記 (うんのじゅうざはいせんにっき) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.094 Zeichen · 167 Bildschirme
◯七月八日は栗橋の吉田修子さんの婚礼があり、目下入営中の戸主・卓治さんの心持もあり、私はその式に列した。それから平磯へいって講演をしたが、それが九日。十日は早目に帰京するつもりでいたところ、朝五時半から敵機動部隊が鹿島洋、九十九里浜沖から艦載機をぶんぶんとばすので、夕刻まですっかり平磯館に閉じこめられてしまった。
ロケット弾を放つ小癪な敵機を見た。平磯館の裏は飛行場であるから、盛んに銃撃があった。しかしたいてい敵機が帰りがけの駄賃に撃っていった。
平磯では取締りがやかましく、皆防空壕に入れといったり、町をあるいていると叱りつけたり、こんな小さな町がそう神経質にならずともと私は思ったが、誰の心理も自分のところが狙われているのだと信ずることには変わりはないようだ。
午後五時四十分平磯発の汽車で、松村部長と共に帰京の途についたが、これが十二時間ぶりに動き出した初列車。水戸から上野へ走る列車はがらがら空いていて、乗客一人当たり六席か七席もあった。
渋谷からは歩いて帰る。渋谷着は午後十一時十分であったが、玉川線は十時半が終車ゆえ、歩くしかない。焼跡の間の一本道を大坂上にかかったとき、警戒警報が発令された。