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Japanische Klassiker mit Furigana

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うんのじゅうざはいせんにっき

海野十三敗戦日記

海野 十三

Lesen Sie 海野十三敗戦日記 (うんのじゅうざはいせんにっき) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.094 Zeichen · 167 Bildschirme

Aozora Bunko

その古いごたごたした家並を見ると、なんだか変な気持になった。残ってよかったと思うよりもこれも一緒に焼けてしまえばもっときれいになったろうにと、妙なことをちょっと考えた。焼跡は案外きれいである。そして広々と見晴らせて、明治以前の江戸の土地の面影がしのばれて気持ちがよい。

岡東の家にたどりついた。すでに朝倉、加藤両氏が到着していて、酒宴が始まっていた。たいへんな御馳走で、目をまわした。酒もかなりある様子。酒を飲まぬ私は、意地きたなく食いすぎて腹をこわすまいぞ、近頃食いなれないものを口にして腹をいためまいぞ、と自分に言い聞かせつつ、いろいろと御馳走になった。

あとで鳥や肉やの御馳走をそう思い出さず、イカの塩からとトマトの味がひどくうれしくて、忘れかねた。

八時過ぎたとき、誰かがもう失礼しないと都電がおしまいになるのではないかといった。まだ八時過ぎたばかりで、都電の赤電(※終電の別称)がある筈はあるまいと思っていると、岡東が時計を見て、ああ、そろそろ急がなくては……という。本当かいと聞けば、この頃の都電は八時半頃で終車となる由。これには驚いた。先ごろ玉川線が十時半終車になったので、甚だ早すぎると思ったが、都電が八時半位で赤電になるなら、玉川線はまだましの方だ。