Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

りんらく

淪落

林 芙美子

Lesen Sie 淪落 (りんらく) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.113 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

お母さんに知られないやうにして、十日分位の食物をリュックに詰めて、わたしは去年の十月、夜汽車に乗つて一人で東京へ来た。東京へ来たら、ぜひ、家を尋ずねていらつしやい、御恩返えしをしますわと、山路さんの奥さんが、うちへ米や野菜を買いに来るたびに云つたのをおぼえていたので、東京へ着くなり、わたしはたずねたずねて山路さんの家へ行つた。山路さんは工場を持つていて、熱海と云うところには別荘もあると云つていたので、どんなに大きい家かと思つたら、案外小さい家であつた。奥さんはびつくりしてわたしを見ていた。家出をして来たのだと云うと、奥さんは困つたやうな様子で、「東京は、とても食物が不自由なのよ。第一、家も焼けて、いまは、よその家を借りている始末なの」と云うことだつた。わたしは二日だけ泊めて貰うことにしてすぐ働き口をみつけようと思つた。東京は随分焼けていた。びつくりする位焼けていた、本当に気の毒だと思つた。山路さんの奥さんは、わたしに田舎の不平ばかり云つて、田舎の人は悪人ぞろいだと云うので、わたしは腹が立つた。田舎にいる時は、あんなにペコペコしていて、東京へ来ると随分人が変つたようになり、田舎でなくした着物や時計をとりかえしたい位だと云つた。