Japanische Klassiker mit Furigana
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いんばいふ
淫売婦
葉山 嘉樹
Lesen Sie 淫売婦 (いんばいふ) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.446 Zeichen · 27 Bildschirme
塵の積んである二坪ばかりの空地から、三本の坑道のような路地が走っていた。
一本は真正面に、今一本は真左へ、どちらも表通りと裏通りとの関係の、裏路の役目を勤めているのであったが、今一つの道は、真右へ五間ばかり走って、それから四十五度の角度で、どこの表通りにも関りのない、金庫のような感じのする建物へ、こっそりと壁にくっついた蝙蝠のように、斜に密着していた。これが昼間見たのだったら何の不思議もなくて倉庫につけられた非常階段だと思えるだろうし、又それほどにまで気を止めないんだろうが、何しろ、私は胸へピッタリ、メスの腹でも当てられたような戦慄を感じた。
私は予感があった。この歪んだ階段を昇ると、倉庫の中へ入る。入ったが最後どうしても出られないような装置になっていて、そして、そこは、支那を本場とする六神丸の製造工場になっている。てっきり私は六神丸の原料としてそこで生き胆を取られるんだ。
私はどこからか、その建物へ動力線が引き込まれてはいないかと、上を眺めた。多分死なない程度の電流をかけて置いて、ピクピクしてる生き胆を取るんだろう。でないと出来上った六神丸の効き目が尠いだろうから、だが、――私はその階段を昇りながら考えつづけた――起死回生の霊薬なる六神丸が、その製造の当初に於て、その存在の最大にして且つ、唯一の理由なる