Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅうかんそうわ
清修館挿話
林 芙美子
Lesen Sie 清修館挿話 (せいしゅうかんそうわ) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.062 Zeichen · 20 Bildschirme
「もう三週間以上にもなりますわ」
「それで、私に何の用があるんですかツ」
「本当にお怒りはごもつともだと思つています。幸い姉が、秋の展覧会に入選いたしましてあのお金大助かりでございましたのよ」
二人はいつか肩を並べて歩いていました。
「今日、お怒りになつていらつしやるだろうと、実はビクビクして参りましたら、もう貴方が、郊外の方へお越しになりましたつて話ですもの、住所も判らないとの事ですし、実は悲しくなつて歩いていましたら、ヒョッコリ貴方が、私の横を素通りなさるのですもの……」
やつぱり、あの太つちよの女は豚であつたと谷村さんは、手を握つてやつた事を心のうちで後悔しました。美しい彼のひとは、谷村さんから金を借りると、すぐ姉の絵の具を買つてやつて自分はまた銀座あたりのカフエーなぞを歩いて、姉の製作費を捻出していたとの事でありました。
七拾円あまりの貸した金も、かのひとは、美しい紅いリボンのついたハンカチフーの包みと一緒に、谷村さんに押しつけました。
谷村さんは呆然として手を出していました。
「あゝ私、これでとてもせいせいしましてよ。これは、姉の絵のエハガキでございますの、ね、此の日曜日に、上野へ参りましようよ。