Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たにさんだい
渓三題
木暮 理太郎
Lesen Sie 渓三題 (たにさんだい) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.066 Zeichen · 12 Bildschirme
黒部峡谷の険怪と豪宕とは、上は内蔵之助谷から下は仙人谷に至る約二里の間に極度に発揮されている。立山に登ったことのある人は、其東北に当り、別山から派出された黒木の茂った山が、南北の方向に長い頂上を展開して、黒部川に突き出しているのを見るであろう。これは黒部別山と呼ばれている。即ち北は劒沢と南は内蔵之助谷との間へはみ出すように割り込んだ、岩骨の逞ましい山で、黒部川に面した東の山側は、奥鐘山に劣らぬ高い絶壁をなして居る。黒部川はこの黒部別山の赭黒い岩壁に撞き当ると、之を突破することが出来ないので、東北の方向に転ずるが、其処には後立山山脈の派出した峻直な尾根が行手を遮っているので、仕方なく其鼻づらを蹴破って、再び北に向い、黒部別山の裾をこづきながら、岩崖の底深く一条の活路を開いている。黒檜、白檜、唐檜などの針葉樹が岩の斜面にしっかりと根を下ろして、薄暗い蔭を翳している木の間伝いに、どこからともなく大嵐の吹きすさぶに似た音が響いて来る。仙人谷や内蔵之助谷の落口に近い崖上に立って俯瞰すると、とろりとした油のような水が青白い表面を見せて、悠々と澄し込んで流れている。