Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わたりどり

渡り鳥

太宰 治

Lesen Sie 渡り鳥 (わたりどり) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.707 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうですか。そのほうが、いいかも知れませんですね。」

興味無し。興味無し。

「男女合戦、と直しました。」

「男女合戦、……」

二の句がつげない。馬鹿野郎。ものには程度があるぜ。シラミみたいな奴だ。傍へ寄るな、けがれる。これだから、文学青年は、いやさ。

「売れましてね。」

「え?」

「売れたんですよ、あの原稿が。」

奇蹟以上だ。新人の出現か。気味が悪くなって来た。こんな、ヒョットコの鼻つまりみたいな顔をしていても、案外、天才なのかも知れない。慄然。おどかしやがる。これだから、僕は、文学青年ってものは苦手なんだ。とにかくお世辞を言おう。

「題が面白いですものねえ。」

「ええ、時代の好みに合ったというわけなんです。」

ぶん殴るぜ、こんちきしょう。いい加減にし給え。神をおそれよ。絶交だ。

「きょうね、原稿料をもらってね、それがね、びっくりするほど、たくさんなんです。さっきから、あちこち飲み歩いても、まだ半分以上も残っているんです。」

ケチな飲み方をするからだよ。いやな奴だねえ。金があるからって、威張っていやがる。残金三千円とにらんだが、違うか? 待てよ、こいつ、トイレットで、こっそり残金を調べやがったな。