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Japanische Klassiker mit Furigana

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こはん

湖畔

久生 十蘭

Lesen Sie 湖畔 (こはん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.180 Zeichen · 47 Bildschirme

Aozora Bunko

活溌だが、けッして出過ぎたというのでなく、無邪気で人懐っこいので、ただもうおのれの愉快を俺にも分け与えたいという風だッた。

俺は喜悦の情で飛立つような思いをしていたが、本意を見抜かれるのを恥じ、

「サンキュー」

と言ったきり腰もあげなかった。

心中の苦悶は非常なもので、俺の不愛想な仕草が少女を怒らせ、このまま漕去ッてしまったらどうしようと、蹉りせんばかりに焦立っていた。

少女は邪気なく眼を瞠り、

「アラ、お厭ですの、お乗り遊ばせよ、実にどうも、大変に愉快ですわ」

と言いながら、笑靨の入った嫋かな手を俺の方へさし伸べた。

俺はいまにも泣きださんばかりだッたが、

「そうか、それほどに言うならば」

と如何にも面倒臭さそうにボートに乗り移った。

少女は身体をよじって向い合う席に俺を掛けさせ、

「もうちッと妾が漕ぎますから、疲れたら代って頂戴ナ」

と言いながら鮮やかな手付でオールを操りだした。俺は苦味のある微笑を洩しながら、

「ウム、そうか、俺に漕がせるつもりで、それで乗せたのだな」

と言うと、少女は愛らしく頷いて、

「エー左様、そのつもりでしたのヨ。仏ヶ崎の方まで行きたいんですけど、とてもあそこまで漕げませんもの」