Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆなのたましい
湯女の魂
泉 鏡花
Lesen Sie 湯女の魂 (ゆなのたましい) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.936 Zeichen · 55 Bildschirme
お鉄(此奴あ念を入れて名告る程の事ではなかった)は袖屏風で、病人を労っていたのでありますが、
「さあさあ早くその中へ、お床は別々でも、お前さん何だよ御婚礼の晩は、女が先へ寝るものだよ、まあさ、御遠慮を申さないで、同じ東京のお方じゃないか、裏の山から見えるなんて、噂ばかりの日本橋のお話でも聞いて、ぐっと気をお引立てなさいなね。水道の水を召食ッていらっしゃれば、お色艶もそれ、お前さんのあの方に、ねえ旦那。」
「まずの。」
と言ったばかりで、金蔵はまじりまじり。大方時刻の移るに従うて、百万遍を気にするのでありましょう。お鉄は元気好く含羞むお雪を柔かに素直に寝かして、袖を叩き、裾を圧え、
「さあ、お客様。」
と言ったのでありまするが、小宮山も人目のある前で枕を並べるのは、気が差して跋も悪うございますから、
「まあまあお前さん方。」
「さようならば、御免を蒙りまする。伊賀越でおいでなすったお客じゃないから、私が股引穢うても穿いて寝るには及ばんわ、のうお雪。」
「旦那笑談ではございませんよ、失礼な。お客様御免下さいまし。」
と二人は一所に挨拶をして、上段の間を出て行きまする、親仁は両提の莨入をぶら提げながら、克明に禿頭をちゃんと据えて、てくてくと敷居を越えて、廊下へ出逢頭、わッと云う騒動。