Japanische Klassiker mit Furigana
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たきぐち
滝口
山本 周五郎
Lesen Sie 滝口 (たきぐち) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.815 Zeichen · 99 Bildschirme
とどなる。そうしないと風邪をひくのだ、ということであった。――手紙にはなお江戸屋敷の消息がいろいろ並べてあり、幕府との交渉は容易にはまとまりそうもない、と結んであった。
安宅が手紙を巻いていると、また家扶の沢井がはいって来、自分はこれから寺へゆかなければならないが、使いの者をどうしようかときいた。
「使いの者」と云って安宅は振り向いた、「――なんの使いだ」
「さきほどの松茸と鮎でございます」
「それは受取ったのだろう」
「さようでございますが、使いの者がおめにかかりたいと申しますので」
なに者だときくと、御婦人であると答えた。どこの婦人かと問い返すと、衣笠の使いで来た者で、おめにかかればわかる、と云っているとのことであった。おりうだな、安宅はそう思い、とおせと云った。沢井が出ていってほどなく、おりうがあらわれた。誰かから借りたのだろう、着物も帯もひどくじみな品であるし、髪も化粧もごく目立たないようにしているのがわかった。
「あたし伺ったりしてわるかったでしょうか」とおりうは坐るとすぐに云った。
「そんなに固くなるな」と彼は笑った、「侍屋敷だって人間の住居に変りはない、坊主も来るし掛取りも来るさ、――鮎と松茸だそうだが妙なとり合せじゃないか」