Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とろ

瀞

佐藤 垢石

Lesen Sie 瀞 (とろ) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.908 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

君、婆さんに充分な心づけをやらないと、四十銭の旅籠料では、まことに相すまんような気持ちがするね。せめて、一人当たり一円くらいの勘定で払って置こうじゃないか。

私は、婆さんが帳場の方へ受取を書きに去ったあとで、雨村に囁いた。

よし分かった。だが、それは僕の手加減に任せて置いてくれ。

雨村はもう、万事承知しているかのようである。

生の鮎は、佐川町まで持って帰れない。そこで毎日釣った鮎は、塩焼きに焼き大皿に山盛りに盛り上げて、毎夕三人で腹一杯食べた。食べきれないところは、乾物をこしらえ、塩漬けにした。それを風呂敷に包み、荷物に作ってから、雨村は旅籠料を支払った。

私らは婆さんに、長らく厄介になった挨拶を厚く述べた。ところが婆さんは私らに比べて何倍かの丁寧さで、過分の心づけを頂戴し冥加至極でありますという意味を、繰り返し唱えて、頭を下げるのだ。

表の路へ出て、山端の角を曲がってから、私は雨村に、婆さんはひどく喜んだらしいが、いったいいかほど心づけを置いたものかね。と問うたのである。雨村はこれに答えて大したことはない。一泊三食四十銭というから、十銭だけ増してやって、一人当たり五十銭宛の勘定にして支払ってやったのさ。