Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ひのついたかかと

火のついた踵

宮本 百合子

Lesen Sie 火のついた踵 (ひのついたかかと) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.781 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

谷  みさ子さん。歌えないでも、あなたの寂しさや悲しさが飛んで行ってしまう法を教えてあげましょうか。

(英一、きっとして谷の方を見返る。谷、関せず。)

みさ子 (自分の考えに沈んだまま、漠然と)何なの?

谷  奥平さんを、もっとあなたへ引つけて置くんです。心持の上でね。

英一 (嫉妬を感じるように)おい、詰らないことを干渉するなよ。みさ子さんだって――

谷  一人前の淑女だ、というのだろう? 決して失礼なことを云いやしないよ。僕だって一箇の人間だからね。(声を大きくし)ね、みさ子さん、あなたは自分の歓びも悲しみも、ただ奥平さんにだけ的を置いていらっしゃるでしょう?

みさ子 (単純に)そうよ。

谷  だから、奥平さんは、平気であなたを打っちゃって、青だの、赤だの1.2.3.ばかり書いていらっしゃるんです。

みさ子 だって――私は、奥平ほか――奥平だからこそ、一緒に楽しんでくれればほんとに嬉しいんだし、そうでなければ淋しいんだわ。ほかの人なんか――いくら私を放って置いたって平気よ。

谷  実にはっきりしたもんですね。(笑う)然しね、これは、青二才の僕が云うのじゃあなくて、ちゃんとした大学者も云うことですがね、異性間の感情というものは、決してそれほど簡単明瞭に片の付かないものなのです。