Japanische Klassiker mit Furigana
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ひのとり
火の鳥
Lesen Sie 火の鳥 (ひのとり) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.740 Zeichen · 76 Bildschirme
」
「いうことが、いちいち、きざだな。歴史的氏の悪影響です。」数枝は、気をよくしていた。
「あたしは、ね、歴史的さんでも、助七でも、それから、ほかのひとでも、みんな好きよ。わるい人なんて、あたしは、見たことがない。お母さんでも、お父さんでも、みんな、やさしくいいひとだった。伯父さんでも、伯母さんでも、ずいぶん偉いわ。とても、頭があがらない。はじめから、そうなのよ。あたし、ひとりが、劣っているの。そんなに生れつき劣っている子が、みんなに温く愛されて、ひとり、幸福にふとっているなんて、あたし、もうそんなだったら、死んだほうがいい。あたし、お役に立ちたいの。なんでもいい、人の役に立って、死にたい。男のひとに、立派なよそおいをさせて、行く路々に薔薇の花を、いいえ、すみれくらいの小さい貧しい花でもがまんするわ、一ぱいに敷いてやって、その上を堂々と歩かせてみたい。そうして、その男のひとは、それをちっとも恩に着ない。これは、はじめからこうなんだと、のんきに平気で、行き逢う人、行き逢う人にのんびり挨拶をかえしながら澄まして歩いていると、まあ、男は、どんなに立派だろう。