Japanische Klassiker mit Furigana
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ひのとり
火の鳥
Lesen Sie 火の鳥 (ひのとり) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.740 Zeichen · 76 Bildschirme
」
「あなたは、毎日、見に来ているの?」
「そうさ。」青年の無表情な質問に、助七は、むっとしたらしく、語調を変えた。「おれは、てれ隠しに、こうしてはしゃいでいるんじゃないんだぜ。君たちと違って、おれは正直だ。感情をいつわることが、できない。うれしいのだ。ほんとうに、うれしいのだ。おどり出したいくらいだ。社の用事なんか、どうにでも、ごまかせるのだから、毎日ここへやって来て、廊下の評判を聞いている次第です。軽蔑し給うな。」
「それは、あなたは、うれしいだろうな。」高須は軽く首肯し、それでもはやり無表情のままで、「だんだん、あの人も、立派になってゆくし。」
「えっへっへ。」助七は、急に相好をくずした。「知っていやがる。それを言われちゃ、一言もない。あなたは、まだ忘れていないんだね。おれが、あいつを立派な気高い女にして呉れ、って、あなたに頼んだこと、まだ、忘れていないんだね。こいつあ、まいった。いや、ありがとう、ありがとう。こののちともに、よろしくたのむぜ。」言いながら、そっとドアに耳を寄せて、「あ、いけない。ヴェルシーニンの登場だ。おれは、あのヴェルシーニンの性格は、がまんできないんだ。