Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
Lesen Sie 火星探険 (かせいたんけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.522 Zeichen · 155 Bildschirme
器械がうなり出す。睡っていたような艇が震動をはじめる。と、もうもうたる褐色の瓦斯が、艇の腹の数ヶ所からふきだした。その瓦斯は、その重さが火星の大気と同じくらいか稍重いかの瓦斯と見え、艇よりはすこしあがるが、あまり上にはのぼらず、そして見る見るうちに艇をすっかり包んでしまった。
見張器の映写幕にも、この瓦斯がひろがって行く有様が手に取るように眺められた。そして今や幕面は完全にこの褐色瓦斯に蔽われてしまったが、しかし、夜の闇さえ透して物の見えるテレビ見張器の特長として、エフ瓦斯をとおして四方の情景はあいかわらずはっきりと見えていた。
そうなのだ。火星人の大群が先程までのあのすさまじい勢いはどこへやら、この瓦斯にぶつかってたちまち大混乱の状態となり、列を乱し、ころげまわって、吾れ勝ちに向こうへ逃げてゆく有様が、おかしいほどはっきりとうつっていた。
「火星人は余程おどろいたらしいぞ。総退却だ。これで彼らも、そう無茶なことを仕掛けて来はすまい」
デニー博士は、ほっとした顔だった。
「今のエフ瓦斯というのは、どんな毒瓦斯なんですか」
と、河合はマートン技師に訊ねた。