Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
Lesen Sie 火星探険 (かせいたんけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.522 Zeichen · 155 Bildschirme
素人には分らんよ。もっともわしにもまだはっきりきまらないのだがね」
「なんだ、まだ乗物が決まらないのじゃ、わしの賭けもはっきり負けと決った」
「君みたいに気が早くてはいかんよ。火星探険でも何でもそうじゃが、焦っては駄目じゃ。気を長く持って、いい運が向うから転がりこむのを待っているのがよいのじゃ。な、気永に待っているのがよいのじゃ。待っていれば必ずすばらしい機会は来るもの。焦る者不熱心な者は、そういうすばらしい機会をつかむことができん」
「旦那。お前さんの火星探険は三十年も機会を待っているようだが、それはあまりに気が永すぎますぜ。悪くいう者は、デニー博士は火星探険などと出来もしない計画をふりまわして金を集める山師だ、なんていっていますぜ」
「山師? とんでもない下等なことをいう仁があるものじゃ。今に見ていなさい。一旦その絶好の機会が来れば、余は忽然としてこの地球を去り、さっと天空はるかへ舞いあがる……」
「あ、いたッ」
博士の言葉のうちに、横合で悲鳴が聞えたその方を見ると、一人の少年が地上にうちたおされていた。その少年は顔を両手でおさえていた。そして顔も手も血だらけであった。