Japanische Klassiker mit Furigana
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ひなわじゅう
火縄銃
江戸川 乱歩
Lesen Sie 火縄銃 (ひなわじゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.117 Zeichen · 19 Bildschirme
刑事から受取った火繩銃には、用意の弾丸と火薬を装填して、印をつけて置いた元の位置に正確に置き、花瓶と花瓶台も、これには最も綿密に注意をしたのであるが、前にあった位置通りに据えた。机の上の品物が、昨日と寸分違わぬ場所に置かれると、今度は机の前の窓を、印をつけてあった所まで開いた。そうして置いて橘はボーイに何か耳打した。すると、ボーイは首肯いて部屋を出て行ったが、間もなく等身大の藁人形を抱て戻って来た。藁人形には不格好に胴衣が着せてあった。橘はボーイからそれを受取ると、部屋の隅の寝台の上に、昨日林が寝ていた通り人形を横たえた。
用意が万端調うと、橘は一同の人々を見廻して徐ろに口をきった。
「これで、この部屋の様子はどの品一つも、昨日椿事があった時の位置と違っていない筈です。重要な品物の位置には凡て印をつけて置いたのです。さて、私はこれから昨日林君が如何にして殺されたか、いや、如何にして胸に弾丸を受けたか、その時の情況を皆さんにお目にかけようと思うのです」
この橘の如何にも自信に満ちた言葉を聞くと、並居る人々は、何とはなしに緊張した。
「その前に、私はこの事件に就て、私の信ずる所を申し述べてみようと思います。