Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひなわじゅう

火縄銃

江戸川 乱歩

Lesen Sie 火縄銃 (ひなわじゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.117 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

手紙を書き終ると、直ぐ、習慣になっています午睡の為めに、ベッドに横たわりました。それからどれ位経ったか、明確ではありませんが、一時三十分になって、実に怖るべき惨事が突発したのです。世にも不思議な犯人のない殺人が行われたのです」

そう言い乍ら、橘はポケットから懐中時計を取り出した。

「さア、今一時二十八分です。もう一二分すれば、犯人のない殺人が行われるのです。この事件の真相がハッキリわかるのです。机の上の花瓶によく注意していて下さい」

人々は手品師の奇術を見る様な気持でその玻璃瓶に十二の瞳を一斉に注いだ。

と、その時私の頭に、ある事が稲妻のように閃いた。そうだ。手品の種がわかった。事件の真相が明かとなった。

アア、それは太陽と玻璃瓶の世にも不思議な殺人事件であったのだ。

見よ、玻璃瓶は、窓から射す強烈な太陽の光りを受けて、焔のようにキラキラと照り耀き、その満々と水を湛えた球形の玻璃瓶を貫いて、太陽の光線は一層強烈となり、机の上に置かれた火繩銃の上に、世にも怖ろしい呪の焦点を作り初めた。

焦点は太陽の移動と共にジリジリ位置を換て、今や点火孔の真上にその白熱の光りを投げた。