Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かそうこくふうけい

火葬国風景

海野 十三

Lesen Sie 火葬国風景 (かそうこくふうけい) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.334 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

すると紅蓮の焔はまるで生物のように八十助の存在を認めて、そのメラメラといきり立つ火頭を彼の方に向け直すと、猛然と激しい熱風を正面から吹きつけた。

「うわーッ」

八十助は駭いて後方へ飛びのいた。焔は執拗に追いかけてきた。彼は夢中で駈けだした。ドンドン駈けて駈けてつづけた。

あまり一生懸命に駈けたので、気がついたときには、全く思いがけない場所に仆れている自分に気がついた。振りかえってみたが、もう焔は見えない。どこにも火が見えない。八十助の周囲には涯しない永遠の闇が続いていた。火焔の脅迫は去ったが、それに代り合って闇黒の恐怖がヒシヒシと迫ってきた。全く何も見えない無間地獄の恐怖が……。

彼は首を動かしてみた。頭の下に固いものが触れた。彼は地獄の底に、仰向きになって寝ているのだということが判った。なんだか頭の芯がピシピシ痛む。彼は手を痛む額の方へ伸ばした。そのとき思いがけなくも、伸ばした手が胸より少し高いところで何か固いものにぶつかり、ゴトリと響を立てた。

鼻をつままれても判らぬ暗闇の中に、ゴトリと手の先に当ったものは、一体何だったであろうか。

ゴトン、ゴトン。