Japanische Klassiker mit Furigana
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かやくせん
火薬船
海野 十三
Lesen Sie 火薬船 (かやくせん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.552 Zeichen · 124 Bildschirme
「もし火薬船というのが本当のことなら、ノーマ号へのこるといった竹見の奴は、さすがにわしの部下らしく見上げた者じゃ。じゃが、あの男は、どうもたちがわるいから、俄に信用はできない」
「ええ船長、竹見のいっていることは、本当です。間違いはありません。私は太鼓判を捺しますよ」
そういったのは、竹見の相棒の水夫丸本だった。彼は、竹見から、密書のついたナイフをなげつけられ、それをうまくうけとった男だ。
虎船長の眼が、ぎょろりと光る。
そのとき、入口の扉をノックして、入ってきたのは一等運転士の坂谷だった。
「船長。どう決心がつかれましたか」
「ああ、わが艦隊へ無電を打つことか」
じつは、ノーマ号が火薬船だという報告があったとき、坂谷は、この事実をすぐさま、艦隊へ報告しておくのがいいと進言したのだった。しかし虎船長は、なるべく無電を打ちたくない主義だった。なにしろ中国船のつもりであるから、あまりスパイ船のようにはきはきした行動をとりたくないこともあったし、とかく無電という奴は、四方八方ひろがるので、ぬすみ聞きされる。その結果、平靖号があやしまれて、今後の行動が、制限せられるようだとこまるとおもったのである。