Japanische Klassiker mit Furigana
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はいかぐら
灰神楽
江戸川 乱歩
Lesen Sie 灰神楽 (はいかぐら) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.262 Zeichen · 27 Bildschirme
四
そう事が極ると、二昼夜に亙る不眠が、彼を恐しい熟睡に誘った。翌日の昼頃まで、彼は何も知らないで、泥の様に睡った。
四
さて、その翌日、愈々実行となると、彼は又しても二の足を踏まなければならなかった。表の往来から聴えて来る威勢のいい玄米パンの呼声、自動車の警笛、自転車の鈴、そして、障子を照す眩しい白日の光、どれもこれも、彼の暗澹たる計画に比べては、何と健康に冴え渡っていることであろう。この快活な、あけっぱなしな世界で、果してあの異様な考えが実現出来るものであろうか。
「だが、へこたれてはいけない。昨夜あんなにも考えた挙句、堅く堅く決心した計画ではないか。その外にどんな方法があるというのだ。躊躇している時ではない。これを実行しなかったら、お前には絞首台があるばかりだ。仮令失敗したところで、元々ではないか。実行だ、実行だ」
彼は奮然として起き上った。ゆっくりと手水を使って食事を済ませると、態と暢気らしく、一渡り新聞に目を通し、ふだん散歩に出るのと同じ調子で、口笛さえ吹きながら、ブラブラと宿を出た。
それから一時間ばかりの間、彼が何処へ行って何をしたか、それは後になって自然読者に分ることだから、ここには説明を省いて、彼が奥村二郎を訪問した所から話を進めるのが便宜である。