Japanische Klassiker mit Furigana
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はいいろのきおく
灰色の記憶
久坂 葉子
Lesen Sie 灰色の記憶 (はいいろのきおく) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.588 Zeichen · 132 Bildschirme
――これは即座にこたえるようにしていた。女店員の中で一番彼の気質をしって彼の命令に動くことが出来たのは私一人であった。私は彼を大へん憎悪しながら彼の間抜けた表情に一種の愛着を感じていた。土曜日のひるなど、派手な着物をきて彼を訪ねてくる奥さんと食事に出かける姿を頬笑ましい気持で見ていた。彼のお叱りをうけるのは私が一番多かったけれどその暴君ぶりがかえって私には親しみやすく叱られながらも彼のためには何でもしてあげた。
秘書と私は仲良く出来た。彼女は社長室でよく、キャッキャッと社長とふざけていたがひとたび社長室より出ると、大した威厳でもって、会計課長にも営業の重要人物にもどんどん命令し、年寄った彼等は表面へいこらしていた。老嬢のヒステリーはしばしば起った。太ったお尻をふりまわしながら怒り散らした。彼女の雑用は私にまわされていたので度々社長室へはいることが出来た私は、彼女の社長前の、甘ったれた言葉が滑稽に思われた。ドア一つのへだたりで巧みに自分の表情の動きから、音声に至るまですっかり変えることの出来る彼女をみているのは興味の一つであった。嫉妬やそしりはたえずくりかえされていた。