Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はいいろのきおく

灰色の記憶

久坂 葉子

Lesen Sie 灰色の記憶 (はいいろのきおく) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.588 Zeichen · 132 Bildschirme

Aozora Bunko

最後の小包を手渡す時、私はこれでおしまいであることを告げながら、しばらく、彼の手先と荷物と自分の手先が動かない位置にあることを知った。私は、いきなりぱっと面映い気持を押えられないで無邪気に舌を出して手をはなした。彼はそれを、巧みに放り上げると、そこから、私の上へ飛び降りようとした。私は体をさけようともせず、彼の躍動的な瞬間のポーズにみとれた。どかっと、自分の肩に重みを知った時、彼の唇と私の唇は反動的にわずかふれ合った。私は急にいらだたしい気がして五六歩小走りして他の少年達のところへ来た。

「もうわたしんとこ済んだの。手伝ったげる」

彼等の間にはいって、私は荷物の整理をはじめた。大岡少年は、首にぶらさげた手拭で顔をふきふきやって来て私と同様黙って仕事の手伝いを始めた。

そのことがあってから、何かしら彼と喋る時は意識してしまい、他の誰かが私達の動作を見守っていないかという懸念をたえず心の中に置いていた。私は彼のたくましい体にすくなからずひかれていた。時々、彼と退社後、闇市のうすぐらい電燈の下で、お好み焼を食べたり、油っこいうどんを汗かきながらすすったりした。