Japanische Klassiker mit Furigana
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はいいろのきおく
灰色の記憶
久坂 葉子
Lesen Sie 灰色の記憶 (はいいろのきおく) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.588 Zeichen · 132 Bildschirme
毎日、新しいおさかなを、あれがいい、これが好きだと選んで持ってかえる。それが、朝の仕事の一つであった。家へかえると、まめ粥が煮てある。このあたりの風習に従って、小さな豆の実と葉をかげ干しにしたものを、おかゆにまぜて煮くのだということは、後で知ったのであるが、それに、漬物と味噌汁とがきまって出される。小さな茶碗に、風船の絵がついていて、私はそれを大へんかわいがっていた。
日中、畠でとんぼやかえるをつかまえることもした。指の間に、とんぼの羽をはさんで、両手一ぱいになると空たかく逃がしてやる。そして又くりかえす。勿論、私自身で、とんぼをつかまえることは出来ないから、田舎の少年や、おばさん達にとってもらい、私はわらぞうりをつっかけて、兄達にまじってたんぼ道を歩いた。
親からはなれて寂しいとは少しも思わなかった。そうした田舎の人達の素朴な感情の中に、私は伸び伸びと育った。
けれども、教育のためには、田舎の生活はプラスしないという親の意見で、大分、丈夫になった兄と共に、兄弟達は都会へひき戻された。海岸の別荘は、夏間だけ借りることになった。
両親の許へかえって私は、その日から、厳しい躾を母から与えられた。