Japanische Klassiker mit Furigana
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はいいろのきおく
灰色の記憶
久坂 葉子
Lesen Sie 灰色の記憶 (はいいろのきおく) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.588 Zeichen · 132 Bildschirme
又、その借家にピアノが置かれていた。私は楽譜なしに、その時その時だけのメロディをつくってたのしんだ。けれど二カ月位してその家の主が帰って来るというので、私達は会社の寮にしていたある御邸の部屋を間借りすることになった。もともと私達の家庭では親子の間でも感情を抑制する躾がほどこされているようであったから、親類と同居するようになってもさして気兼に感じないで生活出来た。目前にやって来る冬支度や、命日の食べ物のやりくりやらで秋の夜長はどんどん過ぎて行った。戦後日がたつにつれ、私は考えるようになって来た。自分の生活に目的がないことはさみしいことだと思った。当時、もう尼になり度いとは思わなくなっていた。何故なら私は非常に人間愛に渇え、人間を愛したいとばかり思うようになっていたのだ。人と人との接触の中に、私は喜びや生甲斐を発見するのだろうと考えた。誰かを愛して居り度いと思った。そして自分の愛情に応えてほしいとのぞんだ。私は兄の友達や、電車通学で会う若い人に気持を奪われてみたいと念じたけれど、誰もかも魅力はなかった。
学校はだんだん学校らしくなって来た。女性同志の恋愛ごっこのようなものが急に流行しはじめた。