Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はいいろのきおく

灰色の記憶

久坂 葉子

Lesen Sie 灰色の記憶 (はいいろのきおく) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.588 Zeichen · 132 Bildschirme

Aozora Bunko

リボンを頭につけたり、定期入の中に写真をしのばせたり、制服がそろわないので私服のゆるしがあるままに、色彩がだんだん華やかになって来た。私は女らしさに欠けており、又体裁をかまわないことを一種の誇のように思っていたから、相変らず戦争中の作業衣ともんぺを着て頭髪はもしゃくしゃにしていた。ところがそういった風貌が宝塚の男役のように女性から慕われた。同級生達から毎日のように、ピンクやブルーの封筒を渡され、涙っぽいつづけ字の手紙をよまされた。私は手紙をかく事を好んでいたのですぐ乱暴な字でノートの端くれに返事をかいた。それ等の女性に対して何ら興味はなかったものの、手紙をかくたのしみだけで大勢の人と交際しはじめた。私の学校での生活は目立って注目を浴びるようになった。私は少しずつ活気づいて来て幼い時からの倣慢不敵さがにょきにょきと表面にあらわれ始めた。そして事件をもてあそぶようになって来た。何か毎日自分の身辺に新しいかわったことをこしらえたいと思い、それが自分に不利有利を考えないで唯その事件を面白がった。しかし数珠と私ははなれないでいた。数珠を巻いている事は大した信仰でなくなっていたけれど、私ははなさないでいた。