Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はいいろのきおく

灰色の記憶

久坂 葉子

Lesen Sie 灰色の記憶 (はいいろのきおく) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.588 Zeichen · 132 Bildschirme

Aozora Bunko

とにかく、よみかきそろばん、という口調のよい言葉を大層嫌っていたので、その言葉をくそみそにやっつけたように思う。彼女は憎々しく私の意見に反対した。私はそれに反駁するだけの知識を持っていなかったので無表情のまま眼を引きつり上げて彼女の顔をみた。その日の放課後、彼女は私のその時の表情がかわいかったと私に告げた。私は少しばかりの憤りを感じたが黙っていた。彼女はしばしば私に手紙をよこすようになった。私は彼女に、気随に書いた詩や雑文をみせて批評を乞うた。彼女は私の詩を愛してくれた。けれど、彼女は私の数珠をきらった。

「ゆめをみるの、あなたの手が、血みどろになった手だけが、私を追いかけてくるの、その手に数珠がきらりと光る。私は毎夜、そんなゆめをみるの」

彼女は私に数珠などはずしてしまえと度々云った。私は離さなかった。

彼女は一人で学校の礼法室の片隅に自炊していた。私はその部屋で日が沈むまで寐ころびながら彼女と二人で話をした。職員室の間では、私と彼女の関係があまり目立ちすぎるというので私は主任から叱られ、彼女は校長から注意された。私は別に彼女を愛したのではない。